自分的 尾崎豊ベスト10
さて、DAMのプレゼントイベント尾崎豊を探しての記事を先日書いたわけです。そして、実際カラオケで尾崎豊の曲を大量に歌いまして、頭の中が尾崎豊(;^_^A
自分の時代で言うと尾崎豊は中学生から高校生ぐらいの時期に活躍していて、自分はそこそこ真面目だったので荒れ狂う尾崎の感じからは程遠い生活をしてました。しかし心の中には学校や友人、社会に対する反発の心を持ちつつそれを表現しない、出来ない自分がいて、尾崎豊はそれを私生活でも表現しつつ歌にもしてる。憧れとまでは言わないまでも、その自分の気持ち全てをさらけ出すような姿を複雑な気持ちで見てましたね。
とは言え、そんな尾崎豊を冷ややかに見ている自分もいて、高校1年の時に初めて「15の夜」を聴いた時は「ヤンキーの歌」だと思って全く興味を示さなかった。しかし高校生活が進む中、様々思うようにならない事が重なり、さらには受験や将来について、親との関係などで様々なストレスを抱えるようになっていく自分がいて、そんな状況になった時に尾崎の歌を聴くと気持ちが晴れる。晴れると言うか本当の意味で共鳴すると言うか。
ヤンキーの歌だと思ってたものが実は自分達のような言わば「弱きもの」の代弁者であり、尾崎自身が弱い心に打ち克つように歌を歌ってたんだなと。
高校を卒業して大学に行ってもまだまだ立場が曖昧な自分。車の免許を取ってからは車の中で尾崎と一緒に叫んでましたね(⌒-⌒; )
ベスト10と言いながら、13曲あります(;^_^A
もっと増やしたいけどきりがないし、減らしたいけどそれはそれで無理で(;^_^A
それでは開き直って13位からどうぞ!
13位 街の風景
1stアルバム「十七歳の地図」より
このアルバム、当時はレコードだったのでA面B面でしたが、A面の一曲目に収録された曲。この動画はライブバージョンですが、ライブではスローテンボで歌われることが多いこの曲、アルバム十七歳の地図に収録されたこの曲はミディアムテンボな曲。スローなテンボで語るように歌うのも好きですが、自分としてはミディアムテンボなこの曲の方が尾崎豊らしいなと思います。
12位 ハイスクールRock 'n' Roll
1stアルバム「十七歳の地図」より
こちらは打って変わってノリノリの曲。電車に乗って高校へ通学する自分。
🎵こんなラッシュアワーに死ぬまで揉まれたくないよ、何がどうして誰の為に縛られなくちゃならないの
とまぁ、縛られた学校生活の中でもっと自由に生きたいと言う尾崎の叫び。
🎵rock 'n' roll 踊ろうよrock 'n' roll 腐らずに
rock 'n' roll 手を伸ばせば自由はあと少しさ
もう一息、自分さえ頑張れば自由になれるんだと言う聴く人へのメッセージと共に自分自身にも語りかけてるように思えますね。
11位 Freeze Moon
3rdアルバム 「壊れた扉から」より
この歌の特徴的なのは、歌でありながら半分ぐらいの部分を台詞的な歌が占めてるところ。台詞のような感じだけどちゃんと入るタイミングは決まっていて音程もある。途中本格的な台詞の部分もあるけど、それすらもしっかり音楽に重なるようになっている。カラオケで歌うと適当で大丈夫そうに聴こえるけど、適当に歌うと全く形にならずただだらだら喋ってるだけのものになってしまう。
歌詞の内容的には、ストリートでの荒れた生活、縛られた生活のなかでもがき苦しむ自分たちを表現し、そしてそこから這い上がるんだという意思を感じる曲。
10位 愛の消えた街
1stアルバム「十七歳の地図」より
こちらも1stアルバムから。自分はB面のセブンティーンズマップから聴く事が多かったのでだいたい2曲目に登場してましたね(⌒-⌒; )
愛の消えた街。よく十代半ばの少年がそんな歌を描いたなと。
冒頭の歌詞
🎵道端で倒れたように眠る人がいるよ
一度は目にするが、すぐに目をそらして通り過ぎる
困ってる人がいても助けもしない冷たい世間を歌っていながら、
🎵俺もまた先のわからぬ不安の中にいる
今を生き 心に余裕もないよ
とは言え、自分も人の事に構ってるほど余裕はない。
🎵愛の消えた街さ昔から
そうなのだろうか
それが当たり前と言うには俺はまだ若過ぎる
凄い歌詞だなと思います。
自分は世間のような冷たい人間ではない。そう出来るかどうかはわからないけど、そうでありたいと思い生きる。生きたい。
そんなメッセージの歌ですね。
9位 BOW!
2ndアルバム「回帰線」より
🎵鉄を食え、飢えたオオカミよ、死んでもブタには食いつくな
社会に飲み込まれ、ルールを守って生きて行く事でその状況に甘んじ、自分自身の心の中にある物を自分の中に閉じ込めただ平凡に生きる。
そんな生活に甘んじるな!
心の中の飢えたオオカミを目覚めさせろ!
ヌルい生活してないで、困難に立ち向かえ!
そんなメッセージが感じ取れますね。
はぁ、それがし
すっかりブタ食ってしまってます(⌒-⌒; )
8位 坂の下に見えたあの町に
2ndアルバム「回帰線」より
夢を追いかけ、子供の頃から支えてくれた家族から離れ一人で生きて行く。そんな人間の気持ちを歌った歌。
🎵でも、寂しそうに、見送りに立ち尽くす母親にさえ、さよならが、言えずじまいにアクセル踏み込んでた
そうなんだよな。男の子で母親嫌いなヤツは多分いないけど、素直になれずに「ありがとう」とか「さよなら」とか言ったら泣きそうだから無言で家を出る。
自分もそんな感じだった。
まぁ、うちの場合母親の方が無理矢理素っ気なく振舞ってたんだけど(⌒-⌒; )
それまでうっとーしーとか思いながらもずっと一緒だったわけで、そこから離れて独り立ちする。ちゃんと悲しさとか寂しさを感じてたかと言ったらわからないけど、独りになってみて、さらに親を失ってみて、親と言う存在がどれだけ大きく有り難い存在だったか、、、。
久々にこの歌を聴いて改めて思う。
20歳の頃に聴いたこの歌と40歳を過ぎてから聴くこの歌、全く違うね(⌒-⌒; )
結構な量の涙を消費しました(⌒-⌒; )
7位 彼
3rdアルバム「壊れた扉から」より
この曲については歌詞を深く考えて聴いた事はなく、この動画にはありませんが、アルバム壊れた扉からの原曲の冒頭の哀愁漂うオーボエ(ソプラノサックス?)のソロが非常に印象的で、その後ロック調のリズムになって、「ウッ、ハー」と言う声が入る。それが良くて(⌒-⌒; )
しかし大人になって聴いてみると非常に難しい歌詞だなと思います。1st、2ndアルバムではストレートな歌詞が印象的ですが、壊れた扉からでは、この「彼」を含め抽象的な歌詞が目立ちます。聴く人によってどうにでも考えられる歌詞なんですよね。
尾崎豊が20歳の時にリリースされたこの壊れた扉から。10代の頃のようにストレートに語るだけではない尾崎がいます。
6位 十七歳の地図
1stアルバム「十七歳の地図」より
思いっきりアルバムのタイトルになってるこの曲。この頃の尾崎豊を象徴する曲ですね。人混みや日々の生活に埋もれながらも強く生きなきゃと思う。
🎵電車の中 押し合う人の背中に
いくつものドラマを感じて
親の背中にひたむきさを感じて
この頃ふと 涙こぼした
半分大人の セブンティーンズマップ
十七歳の尾崎の目から見た素直な感覚を歌にしてる。
自分と言うものをしっかり見つめ、そして生きると言う事をこの年齢で考え、歌として綴る。
今考えると物凄く大人な十七歳だと思いますね。
5位 卒業
2ndアルバム「回帰線」より
🎵行儀よく真面目なんて出来やしなかった
夜の校舎窓ガラス壊して回った
逆らい続け 足掻き続けた 早く自由になりたかった
信じられぬ大人との争いの中で 許し合い一体何わかり合えただろう
うんざりしながら それでも過ごした ひとつだけわかってた事
この支配からの 卒業
ものすごく印象的なサビ(;^_^A
夜の校舎窓ガラス壊して回った
は、今の時代では考えられない事かと思いますが、80年代の校内暴力等が全盛だった時代は実際に学校内で起きていたことなんです。
🎵卒業して一体なにわかると言うのか
思い出の他に何が残ると言うのか
人は誰も縛られたか弱き子羊ならば
先生あなたはか弱き大人の代弁者なのか
俺たちの怒りどこへ向かうべきなのか
これからは何が俺を縛り付けるだろう
あと何度自分自身 卒業すれば
本当の自分に たどり着けるだろう
仕組まれた自由に 誰も気付かずに
あがいた日々も終わる
この支配からの 卒業
戦いからの 卒業
曲の後半のこの問いかけの連続がこの曲のクライマックス。
理不尽な支配をする大人(教師)と戦い続け、あがき続け、自由に振る舞おうとすればするほどその支配は強くなる。
しかし、この時の自由は支配があってこその自由。尾崎自身、自由と言うのがなんなのか、まだハッキリとは見えていないような気がする。様々その人らしい生き方はあって良いのはわかるけど、そう生きる為にはまた様々な不自由さがあり、尾崎自身もこの先も様々な不自由さの中で生きて行かないといけない事は分かってはいるけど、自由に生きるため、自由を探し求めてそれに抗い続ける。
4位 Scrap Alley
2ndアルバム「回帰線」より
軽快でアップテンポなロックそのものと言う感じの曲。荒れた時代のある友人に向けた曲でレコーディングにその友人を呼んで聴かせたと言うエピソードがある。
Scrap Alleyとは、直訳だと「廃道」とか言う道になるんだろうと思いますが、まぁ多分この曲におけるこの言葉の意味は
「荒れた時代」
「めちゃくちゃやってた頃」
とかそんな感じかなと。
🎵Say good bye Scrap Alley
Say good byeひとりぼっちのアクセスロード
Say good byeおんぼろのギター
Say good bye擦り切れたrock 'n' roll
と言うのがサビ。早くに結婚して19歳で子供が出来、自分とは違う幸せを見つけた友人に思い出を語りつつ、しかしあの頃の自分たちには別れを告げようと言うメッセージなんだろうなと。
3位 ダンスホール
2ndアルバム「回帰線」より
このダンスホール、自分はそんな風には聴いてなかったのですが、実は当時起こった凄惨な殺人事件がモチーフになっている曲なんだそうです。
情報元 OTOKAKEさんのブログ
尾崎豊「ダンスホール」はあの有名な殺人事件がきっかけで生まれた!?歌詞の深い意味とは? - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
1982年6月、尾崎豊が16歳の時に起こったこの事件は大きく世間を騒がせた殺人事件でした。
東京の新宿、歌舞伎町でディスコをはしごしていた当時14歳の少女2人が若い男に声を掛けられ、共に飲食し、遊んだ後に男の車に乗ってドライブに繰り出しました。
車中でうっかり寝てしまった一人の少女が目覚めると友人の姿がありません。
不審に思いつつ少女は男に言われるがまま、車を降り散歩していると突然殴られ、首を絞められ失神してしまいました。
彼女が次に目を覚ました時には男は消え、友人の遺体があるのを目にします。
通行人の通報によって発覚したこの事件。
まだ十代前半の少女が被害者であったこと、当時ブームであったディスコが犯行のきっかけとなった舞台であったこと、犯行の手口の残忍さからもかなり大々的に報道され、社会的に様々な影響を及ぼしました。
以上 引用 OTOKAKEさんのブログ
こんな事件をモチーフとして、背伸びをしてディスコで遊んでいる少女達の危うさを表現していると。
🎵あたいグレ始めたのは ほんの些細な事なの
彼がイカれていたし でもほんとはあたいの性分ね
学校は辞めたわ 今は働いているわ
長いスカート引きずってた ノンビリ気分じゃないわね
少し酔ったみたいね 喋り過ぎてしまったわ
けど、金が全てじゃないなんて
綺麗は言えないわ
自分としては3コーラス目のこの歌詞が印象的で、学校は辞めたと言ってるわけで、事件と同じ14歳ではなく、この歌に登場する女の子は順調に行ってれば高校生で、学校に通い、部活で汗を流し、普通の暮らしをしてるであろう女の子。その少女が口にする世の中を諦めたような言葉。「金が全てじゃないなんて綺麗には言えない」は、そう思いたいけど自分の状況はそうは言ってられない。夢や希望では生きられないんだと。
普通の高校生ならそんな事を考える必要もないけど、彼女たちは夢や希望を見失い、絶望の中で自分の居場所を求めて夜な夜なディスコに通う。
そこは危険な場所で本当はそこに居てはいけないのはわかってるんだけど
自分たちの居場所はそこにしかない。
社会の隅で生きているこういう少女たちを何故社会は守れなかったのか?
そういう問いかけにも感じます。
2位 存在
2ndアルバム「回帰線」より
尾崎豊ファン以外の人は全く知らないであろうこの曲。自分にとっては一番と言って良い程「時間を共にした」曲。
🎵受け止めよう
目まいすらする街の影の中
さあもう一度 愛や真心で 立ち向かって行かなければ
あれは大学3年生の時。自分は精神的に子供だったので、人生設計云々ではなくただ夢を追い求めて走って来て、自分の夢と人生と言うものがどうリンクして行くのかわからなくなり、そしてリンクさせる為には捨てなければならないものがあまりにも多すぎる。
と、普通の人は考えずに生きて行ける、もしくはもっと早い段階で考える事で身動きが取れなくなってしまった時があって、、。
精神的に全然子供だった自分は日々生活を送りながらも気持ちの上ではどん底に落ちていた時期なんですね。まぁ、おそーい思春期と言いましょうか(⌒-⌒; )
そんな時に毎日車の中でこの曲を叫んで歌ってました。行くあてもなく車を走らせながら、何度もこの歌をリピートしまくって。
歌ったからどうなると言うものでもないけれど、勇気が湧くとかそんなものでもなく、この歌でかろうじて人間であり続ける事が出来たと言う感じ。
しんどい時期ではあったけど、あの時があるから今の自分がある。
自分にとっては思い入れが強い曲です。
1位 15の夜
1stアルバム「十七歳の地図」より
🎵盗んだバイクで走り出す
が衝撃的ですよね(⌒-⌒; )
盗んだバイクて(⌒-⌒; )
今の時代なら絶対世に出せない曲。
大きな夢を見ながらも学校で退屈な時間を過ごし、やりきれない思いを抱えながら大人たちや社会に刃向かう。
この15の夜は、実際に尾崎豊が自分の友達と家出をした時の事を歌ってます。
情報元 FNN PRIME
『15の夜』は実体験だった…今なお、若者の心を捉え続ける尾崎豊の生き様 - FNN.jpプライムオンライン
このFNN PRIMEの記事は実際に家出した尾崎豊の友人や、デビュー当時から尾崎を支えた音楽プロデューサーの須藤晃氏への取材などもあり、非常に面白い記事です。
尾崎豊が家出をしたキッカケは学校での頭髪検査だったと。頭髪検査があるから髪の毛はそれなりに短くして行ったにも関わらずその場で教師から髪の毛を切られた。
今なら社会問題になるような事ですが、当時は教師がやる事は絶対で、頭髪検査に違反してたらバリカンで丸坊主にされるのはそんなに珍しい事ではなかったのです。
尾崎豊はそれに怒り、その怒りは親にも向かい、友達と家出をします。
尾崎が最初に書いた15の夜の歌詞は完成形の15の夜よりだいぶ酷い歌詞で、「無免許で走り出す」とか、「酒を飲み」とか言う言葉が入っていて、プロデューサーの須藤晃氏は何度も書き直しを指示し、ようやく完成形の15の夜に落ち着いたんだそうです。
尾崎豊はデビューライブで
色んな生き方があって良いと思う。
中略
大人って、臭いものにすぐ蓋をかぶせて、物事を分かった気になろうとしてるけど、本当はそうじゃないと思うんだ。もっと大切なことってあると思うんだ。それを俺たち若い連中がこれから作り上げていかなくちゃ、俺たち同じような大人になってしまうと思うんだ
と語っている。
この歌で伝えたかったものは、自分が思う通りにに生きろ!自分が不信感を持ってる大人と同じ大人にならないように、自分たちがそれを作り上げて行くんだと。
歌詞自体にそんなメッセージは入ってないけど、あの頃の自分も含め、聴いた若者には確かに尾崎からのメッセージは伝わってるんです。
今この歳になって、長らく聴いてなかった尾崎豊の歌の数々
改めて聴いてみると心に響くものばかり。
確かに、このガキは何を言ってるんだ?
と思う部分もないではない。
社会で過ごしていくためには先人が決めたルールに従うしかない。そこに一人で立ち向かうのは無謀という他なく、立ち向かいはしたものの結局尾崎はそのルールの中でもがき苦しみ、若くしてこの世を去ってしまった。
しかし、自分も含めて、様々な思いを抱えながら自分を殺して生きている人間に比べれば、その思いを堂々と発信し続けた尾崎豊は、自分の中ではやっぱり眩しい存在であり続けていますね。