1986年のドラマ「ヤヌスの鏡」
古代ローマの神・ヤヌスは、物事の内と外を同時に見ることができたという。この物語は、ヤヌスにもう1つの心を覗かれてしまった少女の壮大なロマンである。もし、あなたに、もう1つ顔があったら・・・。(オープニング・ナレーションより)
我々世代の方ならとりあえずドラマの名前と主題歌ぐらいは思い浮かぶと思います。
昼間は裕美、夜はユミ
二つの人格を持つ女子高生の物語。
母親が他界した後厳しい祖母に今なら虐待と言われるような躾を受け育った裕美。その虐待を連想させるような事に直面した時、裕美はユミへと変わる。
と、このブログはドラマを紹介したいわけではなく、あくまで主題歌の
「今夜はANGEL」とその原曲「Tonight Is What It Means To Be Young」を紹介と言うより云々します。
今夜はANGEL 椎名恵
作詞作曲 ジム・ステインマン
日本語歌詞 椎名恵
Tonight Is What It Means To Be Young(今夜は青春) Fire inc.
※Fire inc.は映画「Street of Fire」のためだけに作られたユニット。
作詞作曲 ジム・ステインマン
今夜はANGELはヤヌスの鏡の主題歌であり椎名恵のデビューシングル。
アメリカの映画「Street of Fire」の挿入歌である「Tonight Is What It Means To Be Young」のカヴァー。
原曲のTonight Is What It Means To Be Youngは映画の主人公の設定がバンドの女性ボーカルと言う事で曲調は完全なるROCK。さらに全く違うのは男性のダンス&コーラスが何人もいてその男性たちが女性ボーカルと様々な絡みを聴かせる。
「今夜はANGEL」に比べると相当ハードな音楽。
椎名恵が歌う「今夜はANGEL」はハードロック感は薄く、ポップス的な印象が強い。
調性的にも原曲が「emoll」なのに対して今夜はANGELは「b♭moll」が基調。
声質の違いもあるだろうが、激しく歌う原曲に対して声のトーンも相当抑えてある。
自分が感じる決定的な違いはサビの後。
日本語歌詞で言う
風が叫び雨が泣いて崩れてゆくだけのbroken heart
の場面。この歌詞だけは日本語になってるが、この部分のその他の歌詞は原曲そのままの英語の歌詞。
何が違うってビート感が全く違う。
日本語版今夜はANGELではサビが終わった後一度落ち着いた感じになってそこから転調して後半のクライマックスへと言う感じだが、原曲のこの部分は調性は明るくなるもののサビの雰囲気そのまにガンガン攻める。
やってる事は同じなんだけど男声が入ってる事で音域的に声のテンションが落ちない。さらに日本語と英語の発音の違いもあるだろう。歌でビートを刻んでる感じ。舞台上の動きも激しく見方によっては少しダサい感じではあるが、やや古くさいロックンロール的なカッコよさがある。さらにこの部分にかなりの尺を取ってる。
無論映画の構成上伸ばしたのもあるだろうけど、複数の歌詞とメロディーが絡み合い曲中で一番の盛り上がりを見せる。
この部分、両方とも曲の最後にもう一度出てくるけど、今夜はANGELが結構あっさり終わってしまうのに対し原曲はこれが延々と続く。これがめちゃカッコいい。
音域的に見ると、
今夜はANGELの椎名恵さんは低音域から高音域まで全てを一人で歌ってる。最高音はhihi「Fis」(ファ♯)その辺の音域はファルセットで出してるが、音域的には相当広い。
対して
Tonight Is What It Means To Be Young
は、最初から高い音域で始まる。そこから始めてどこまで出すのかと思ったら、サビは女性はオクターブ下に入る。そして男性の高音域と重ねる事でテンションを作り出してる感じ。
ファルセットではあるが曲後半でhihi「G」(ソ)まで出してその後オクターブ下に下がる。
最高音は半音しか変わらないけど、低い音域が多いぶんそして伴奏が大人しいぶん、今夜はANGELの方が歌うのは難しいかもしれません。
しかし原曲は
まわりに男性数人引き連れて歌わないといけないけど(⌒-⌒; )
さらに英語の言葉数が相当多い。歌詞見てると頭痛くなる。
カラオケで歌うなら
やっぱりヤヌスの鏡かな(⌒-⌒; )